オスピス・ド・ボーヌと云えばワインで有名ですが、建物自体も極めて美しくブルゴーニュ観光の拠点の一つになっています。
完成は1451年で、イギリスとの百年戦争、ペスト、夜盗などのために、今では想像も出来ないほど「死」が身近に感じられる時代でした。
本書は「死」をキーワードに中世という時代を丁寧に解説し、オスピス・ド・ボーヌが建てられた時代と人々の暮らし、心のありようを明らかにしています。
読み終わってから再訪したオスピス・ド・ボーヌは前回と随分印象が違いました。「貧者の病室」と呼ばれる大部屋にあるキリスト像や祭壇が、治癒してこの建物から出る可能性のほとんどない病人にとってどれほどの救いを与えたか、タイムスリップして同じ感覚を持てたような気が一瞬しました。
正直、読むのは中々キツイですが、大変面白い本でした。是非。
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