2009年12月6日日曜日

小さな巨人

LUMIXの時にも云いましたが、コンパクトデジタルの映像素子は非常に小さく、捕らえられる情報も限られています。素子の性能は年々向上していますが、物理的な大きさの違いは相当モノを云います。


そんな中、コンパクトボディに一眼レフカメラで一般的なAPS-Cサイズの映像素子を無理矢理押し込んだ衝撃のカメラがSIGMA DP1です。

初めは誰も商品化できると思いませんでした。実際、2006年のフォトキナで発表されたものの発売されたのは2008年春です。

大きな映像素子を詰め込むために、多くの性能が犠牲にされています。オートフォーカスは耐えられない程遅く不正確で、写真を記録するのがこれまた遅く、搭載されている液晶は発色の悪い粗悪品と云ってよい程のものです。またレンズは28mm相当のf/4.0が搭載されていますが、オートフォーカス性能に自信がないために、焦点距離の短い暗いレンズにしたのではとの噂もありました(後発のDP2はオートフォーカス性能が若干向上してレンズを40mm相当f/2.8にしています)。

このように使い手に多大な忍耐を要求するカメラですが、その画質を見ると全てが許されるのです。他のコンパクトデジタルとは完全に一線を画した画質です。私が長いこと愛用している銀塩コンパクトカメラCONTAX Tを彷彿させる、圧倒的な存在感です。

発売から1年半以上経過しましたが、DP1に匹敵する性能のカメラはついこの前発表されたLEICA X1のみ。いかにDP1が果敢な製品だったかが判ります。

でも、操作スピードとオートフォーカスが高速化されて、f/1.8程度のレンズをつけた後継機種が出てきたら、買い替えてしまうかも...。

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